雪川醸造について
The Story of Snow River Wines

風土を越えて季節を追いかけ、
日々の生活に自然と馴染むワインを届ける

雪川醸造は、水に恵まれた大雪山系の麓、北海道上川郡東川町を拠点とするワイナリーです。

ヨーロッパやアメリカなどのワインの産地を訪れると、そこでは人々がワインを日常のものとして気軽に楽しんでいます。日本でも、そんな風にワインを日常で気軽に飲みたい。日々の食卓でワインを楽しみたい。これはワイナリー立ち上げの原点であり、現在に至るまで揺るぐことのないワタクシたちの根幹となる考え方です。

しかし、現在の日本において、ワインはまだ「遠くの国から来た特別な輸入品」や「ハレの日の飲み物」として扱われることが多いのが実情です。ワイン特有の難解な知識や気詰まりする体験が、無意識のうちに日々の食卓との間に壁を作ってしまっているのか、と思わせられることが少なくありません。

ワタクシたちが日本で、自分たちの手でワインをつくる意味はどこにあるのか。それは「身近にワインをつくる誰か(友人、知人)がいる」という「状況」そのものが持つ価値だと考えています。

どこか遠くの誰かでなく、同じ時代・文化を共有するつくり手として。こうしてつくられたワインは、日々の食卓に自然と馴染んでいく。そんな試みを支える東川から、北海道そして南半球(ニュージーランド、南アフリカ)の自由な風土を重ね合わせていきながら、心地よく軽やかなワインづくりを追求しています。

物理的にも心理的にも近いところにつくり手がいれば、その周りの人々にとってワインという飲み物が、どこか遠くの国から来た輸入品ではなく、日常の風景の一部としてより身近に感じられるはず。つくり手と飲み手が同じ光景、同じ文化を共有する。親近感を感じられる「日常」、いわゆる「ケ」というのは、こうした手触りのある関係性の中から広がっていくものだと、ワタクシたちは信じています。

この試みを具現化する場所としてワタクシたちが選んだのが、北海道・東川でした。

大雪山系の雪解け水を地下水として汲み上げ、生活と農業のすべてをまかなう上水道のない町。ぶどうをも育むミネラル豊かな水と美しい風景は多くの人々を惹きつけ、「写真の町」としても知られています。

周囲を山々に囲まれていながらも、北海道最大の盆地である上川盆地に位置していることから、東川には見渡す限りなだらかな土地が広がっています。この風景は、古くからワインづくりに取り組んできたフランスやイタリアではなく、近年になってからワインづくりが盛んになったアメリカ・カリフォルニアやニュージーランドを連想させるものでした。

ワイナリーの設立を計画し始めた頃、場所の検討をするなかで、過去に見てきた美しいワイン産地のイメージと、ぴたり当てはまったのがここ東川でした。

日本というワインづくりでは新興といえる国で、このチャレンジを具現化するにあたり、新たな試みを認め、応援する素地があると身にしみて深く感じながら、北海道でのワインづくりを進めてます。

フィロソフィー:
新たな試みを支える北海道・東川から、北と南の風景を共有する、自由で心地よいワインづくりを

そしていま、ワタクシたちはその試みをさらに押し進め、海外へと「越境」してワインをつくっています。

2024年より本格化したニュージーランドや南アフリカなど南半球への越境醸造は、情緒的なロマンによる行動というわけではなく、客観的な思考実験の結果に基づいたアプローチです。

日本とは季節が逆転する南半球へ渡ることで、1年のうちに北と南で2回以上のヴィンテージ(収穫と醸造)を経験することが可能になります。異なる言語、異なる哲学、異なる技術が交差する世界のワインづくりの場に身を置き、年に何度も醸造を行うことで経験をアップデートしていく。

北海道・東川という帰るべき確固たる基準点があるからこそ、遠い地の経験を身軽に持ち帰り、ワインの品質を更新し続けることができると信じています。

ワタクシたちが目指すのは、テロワールの神秘やつくり手の情熱といった情緒的な物語(ストーリー)を過剰に語るワインではありません。

目指すのは、手で考えるデザイナー・柳宗理が唱えた「アノニマス・デザイン」のように、つくり手の自己主張を削ぎ落とし、生活の一部としての機能美に徹すること。徹底的に「手」をつかって試行錯誤しながら具現化するのは、地に足がついた、日常に使われる言葉の組み合わせで表現される、ハレではなく「ケ」の存在としてのワインとワイナリーです。

あなたの何気ない今日を少しだけ引き上げる。飾らない日常の渇きをうるおし、気取らないつながりの余韻とともに、自然と次の一歩を踏み出したくなるようなワインを届けたい。

知識や過去の経験で飲み手を試すのではなく、いつもの惣菜や週末のパスタの傍らに、いまこの瞬間に気負わず置ける存在であること。主役はあくまで、それを飲む人の日常です。

ワタクシたちはこれからも、大雪山の伏流水が巡る北海道・東川と、ふたつの半球をまたぐ経験の交差点から、あなたの暮らしの光景にすっと溶け込む、心持ちの良いワインをつくっていきます。

 

社名

雪川醸造合同会社(ゆきかわじょうぞう ごうどうがいしゃ)
English name : Snow River Wines G.K.

代表者名
代表社員  山平 哲也
所在地
北海道上川郡東川町東町2丁目1番6号
設立
2020年11月6日
資本金 500万円
事業内容
・農産物の生産・加工・貯蔵、販売、および関連する作業の受託
・果実酒の生産・貯蔵、販売、および関連する作業の受託
登録番号 T6450003002001
取引銀行

・住信SBIネット銀行
・北央信用組合

メモ

・ワイナリーは、1952年(昭和27年)9月に建てられた赤レンガ倉庫を改装して、醸造所として使用しています。
・ヴィンヤードは、ぶどう畑として使いはじめる前は、そば畑として長年利用されていました。